燻製は塩漬けした肉や魚に木材などを燃やした煙をかけて特有の風味と保存性を持たせたものをいいます。
たとえば、かつお節や秋田のいぶりがっこは日本独特の燻製ですね。 また、ハムやソーセージも家庭で日常的に利用されている燻製品です。 |
燻製の保存性の原理 | ||
燻製の保存性の原理は、 @燻煙中の物質が持 つ殺菌・防腐効果 A食塩による脱水効果、および製作工程中の脱水効果 この2つに分けることができます。 |
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燻煙中の物質が持 つ殺菌・防腐効果 燻煙をかけると、チップから発生する成分が、肉や魚を腐敗させる菌を減らしたり、殺したりする効果を持っています。 その成分は、フェノール系化合物やアルデヒドで、木材中の主要3成分のセルロース、ヘミセルローズ、リグニンが熱分解してできます。 燻煙時の防腐効果としてもうひとつ、フェノール化合物やアルデヒドが燻製中の食品に反応してできる樹脂膜の役割も大きなものです。この樹脂膜は、食品のまわり中を囲み、以後、外部からの雑菌の侵入を防ぐのです。 |
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食塩による脱水効果、および製作工程中の脱水効果 フェノール系化合物やアルデヒドは殺菌・滅菌を積極的に行う成分ですが、食品の水分を少なくするというのは、ネガティブな殺菌・滅菌効果をもたらします。 雑菌も生物の一種ですから、繁殖や生命維持のために水分は欠かせません。そこで水分を少なくすることで、滅菌あるいは殺菌するというのが塩蔵法の原理です。 燻製づくりの工程では、下ごしらえした材料を一度塩漬けし、過度な水分を取り除いて燻製効果を高め、味をよくするとともに滅菌・殺菌処理をするのです。その後塩抜きした後に行われる風乾の工程も、同じく脱水効果による滅菌、殺菌効果をもたらしてくれるわけです。 |
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燻製の種類 | ||
燻製と一言にいっても煙をかける時間や、スモーカー内の温度によって 冷燻法 温燻法 熱燻法 の3種類に分けられます。 下ごしらえや塩漬けのやり方も製法ごとに違います。 |
冷燻法
スモーカー内の温度を15〜20℃に保ち、長時 間燻煙する方法です。
素材の水分を取り除くので、1か月以上の保存が可能ですが、仕上がりは少々硬くなります。
生の状態で食べたい場合 は、香りづけ程度に30分〜2時間燻煙します。
スモーカー内の温度を低く保つため、気温の高い季節は避けなけ ればなりません。
例:生ハム・スモークサーモン
温燻法
30〜80℃で、2〜5時間燻煙します。
季節を 問わず、比較的短時間で作れるため、魚・肉共 に最も一般的で、手軽に行える方法といえるで しょう。
50%以上も水分が残り、ソフトで風味豊かな 燻製ができあがります。
保存性はあまりよくあ りませんが、真空包装をして冷蔵庫に入れてお けば、ある程度の保存は可能です。
例:ベーコン・ロースハム・ニジマスの燻製
熱燻法
90〜140℃で、10〜30分ほどで燻煙処理を してしまう一番手軽な燻製法です。
仕上がりの色調、香りともすぐれた燻製ですが、保存性が悪いので、調理したらすぐ食べるつもりで作った方がよいでしょう。
例:ステーキなど中華鍋のようなスモーカーでガスレンジなどの上でやる燻製
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